小沢信男著作 174

 佐山哲郎さん「句集 娑婆娑婆」の版元は、以前に「菅原克己全詩集」を刊行し、
この3月には小沢信男さんの「本の立ち話」を刊行した「西田書店」であります。
地味な出版社でありますので、袖すり合うもでありまして、勝手に宣伝です。
 昨日は、表紙カバーを掲載しましたが、本日は裏表紙カバーとなります。
写真は鬼海弘雄さんのものですが、裏表紙カバーの写真は、サイズが大きくて、
折り込む処理がされています。なかなかこのように写真を扱うことはできませんね。
裏表紙カバーの写真は、次のようになっています。

 このデザインは、間村俊一さんの仕事です。
 この本には、帯がついているのですが、帯の裏表紙側には「句友、酒友の選による
十二句」ということで、佐山さんの作品が十二句掲載されています。
佐山さんの代表的な作品ということになるのでしょうか。
  レプリカの巨鯨春風駘蕩区
  風船が廊下の奥に立ってゐた
  全裸なり此処に鯱ありなど歌ふ
  あんたこのチワワ冷房病ですぞ
  洗ひ髪ゆゑいきしちに火、と叫ぶ
  朽ち果てしその蜩の寺を継ぐ 
  照柿のの石段まひるまの無音
  秋の夜の酒は無骨に浴びるべし
  さて生まれて来て噴水となる覚悟
  来し方のあれは艶聞それは火事
  大寒を無灯の自転車となりぬ
  人日の日本語ちらかしっぱなし
 このような作品について、跋文で小沢さんは、どのようにいっているでしょうか。