メディア・アート創世記 13

坂根厳夫さんの書かれたものを一番目にしていたのは、朝日新聞に在籍していた
頃のようです。当方が著作を購入したのは、昨日に書影を引いた「新・遊びの博物誌」
までとなり、そのあとのものは手がでませんでした。このへんにもメディア・アート
よりも、「遊び」に興味があった当方の趣向があらわれているかと思います。
昨日に掲げた「新・遊びの博物誌」を切り抜いたスクラップ帳には、「境界線への旅」
の切り抜きが無造作に挟み込まれていましたが、こちらは積極的に貼り付けて整理し
ようということにはならなかったようです。
 昨日に掲げた新聞の切り抜きは、「新・遊びの博物誌」連載25とありまして、
この回のタイトルは「本に出会うまえの本」というものです。文章の書き出しは次の
ようになります。
「ものごころついてまもないこどもたちが、大人の世界をのぞいて、ふしぎに思うこと
の一つは”本”というものの存在だろう。
 大のおとなが、日がな一日しかめっつらをして本の世界に没頭したり、読みもしない
本を部屋中に積み上げて、寝る場所まで失ったり、本というものが人間に与える影響力
は、こども心の理解を超えている。 
 そのくせ『本てなあに』と文字の読めない三歳児にきかれて、本の定義やその楽しさ
を、ことばでなっとくさせられる大人がどれだけいるだろう。」
 とここまでが前書きのようなもので、これにつづいてイタリアのデザイナー ムナーリ
 による本のオブジェの紹介となります。

 これを読んだことの勢いで、このムナーリの「プレブック」を買ってしまったので
ありますが、これは本ではなくて、「本のオブジェ」でありますから、普通の本とは
値段が違いました。