みすず「読書アンケート」

 月刊「みすず」2011年1・2月合併号を手にしています。
 いつも新しい号を手にするたびに思うのですが、この「読書アンケート」特集という
のは、いつ頃から始まったのでしょう。かって「みすず書房」からは「読書の現在」とい
う書名で、このアンケートをまとめたものがありました。

読書の現在―読書アンケート〈1980‐1986〉

読書の現在―読書アンケート〈1980‐1986〉

 アマゾンに引用されていた内容についてはコメントは、以下のものです。
「雑誌《みすず》では、毎年1回〈読書アンケート〉という特集を組んで好評を博してい
る。さまざまなジャンルの読書人が、新刊・古典を問わず、その1年の印象に残った書物
を挙げて、内面的に意味深い読書経験を語るのである。その80年代の7年を1冊の本に
まとめた。」
 1988年に80年にはいってからの7年分をまとめて一冊にしたものですが、この試み
は、これ限りで終わってしまい、残念ながら続くことにはなりませんでした。
 当方の手元には、1972年の特集号から保存されています。けっこうこれは珍しいかも
しれませんが、だからどうしたということかもしれません。この「読書アンケート」に
ついての話題を週末まで続けましたら、過去分の40冊ほどを写真にとって掲げてみるこ
とにいたしましょう。
 今回の号を目にして、これはと気になったものの何冊かについて、まずは話題にして
みることにいたします。
 その一冊目は、次のものですが、これをあげているのは鈴木一誌さん(デザイナー)
 坂根厳夫「メディア・アート創世記 科学と芸術の出会い」( 工学舎 ) 
「オビに『観るから参加へ』とあるように、芸術やデザインの受容は観客の知覚ととも
にあるとする。表現が科学を鼓舞し、研究成果が芸術に示唆を与える。そんな運動を
見つづけてきた著者の五十年が総括された。」
メディア・アート創世記ー科学と芸術の出会い

メディア・アート創世記ー科学と芸術の出会い

 朝日新聞の記者時代に連載をしたものを一冊とした「遊びの博物誌」などでだまし絵
などの魅力を伝えてくれた坂根厳夫さんの活動は、当方の世代に、かなり影響力があった
と思われます。新聞に連載されていたものを、切り抜いてスクラップしていたことが思い
だされますが、ご本人は、この五十年をどのように総括されているのでありましょうか。