ことしは辛卯 3

 タウン誌「うえの」の「卯年」特集から話題をいただいています。
 干支を話題にしていたら、「十二支考」という著作があったことを思い出しました。
家のどこかに南方熊楠の本があるのではなかったかと思いますが、収拾がつかなくなり
そうなので、あえてそれにはふれずであります。
 ウサギをタイトルにした小説もアップダイクにあったと思いますが、これは読んでおり
ませんが、主人公のあだながウサギというのでありました。(これはRabbitでありましょう)
「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち」という児童文学作品もあって、これも読んで
おりませんが、アニメにもなっていましたね。
そういえば、「不思議の国のアリス」にも登場しますよと、このように記していきます
と、次々にでてきそうです。犬とか猫ほどではありませんが、やはり人間にとって身近な
存在の動物であることには違いありません。 
 小澤俊夫さんの「うさぎ」という文章の書き出しは、次のようになります。
「うさぎは古代から日本人にはなじみの深い動物でした。ご存知のように、神話には因幡
の白兎の話が書かれています。・・・
 この話にはうさぎの狡猾な性質が語られていますが、昔話でもうさぎの狡猾さを語る話
が多いのです。」
 うさぎの狡猾さを語る話は多いそうです。小澤さんは、その実例として「宝物分配」と
いう話を紹介しています。この話に登場するのは、猿とかわうそとうさぎだそうですが、
知能では一番いいと思える猿が、「男からござと豆と塩」を奪うたくらみでうさぎに
まるめこまれるものでした。
「(うさぎは)相当な知能犯です。うさぎはこのように悪巧みのできる、ずるかしこい
動物としては有名ですが、そんなうさぎでも、うぬぼれて失敗する話がある。」といって
います。
うさぎがうぬぼれて失敗するといえば、「うさぎとかめ」ですが、これなどイソップの
寓話ですから、紀元前6世紀に語られた話です。
「日本の昔話の中でもっとも有名なのは、『かちかち山』の後半にでてきて、たぬきを
徹底的にやっつけるうさぎでしょう。」
小澤さんがこのように書くのを見て、当方は「かちかち山」という話しをほとんど
わかっていないことに気づきました。「かちかち山」といえば、たぬきがでてくるのは
知っていましたが、おじいさんをだましたたぬきを、火傷にしたり、泥船にのせて沈める
というのは、うさぎの仕業でありましたか。(それにしても、最近の家庭で、自宅に
「かちかち山」の本があるところは、すくないことでしょうね。)