本日はブックオフへ

 仕事帰りにブックオフに立ち寄るというのは、週末の楽しみでありますが、
ここ数週間は、東京へといっていたり、葬儀がはいったことなどで、これが
できておりませんでした。定期的に足を運ばなくては精神衛生によくないような
気がします。まあ不調の「青い月曜日」でありますから、すこしでも上向きに
なることを期待して、百五円棚の前にたつのでありました。
 本日確保したのは二冊ですが、一冊はみすず「大人の本棚」に収録の早川良一郎
「さみしいネコ」でありました。これは残念ながら、半額です。「大人の本棚」が
半額でしたら、これは買いですね。(それにしても最近は、文芸文庫の新刊が高い
ことです。その昔に一般文庫にはいっていたもので、ちょっと探せばみつかる
ようなものが千円を超えて文芸文庫にはいるというのはいかがなものかな。)
「さみしいネコ」の著者 早川良一郎さんという方は、まったく道ですが、
このような人がいたのでありますね。
 小生がこれを購入することにしたのは、以下のページのところを立ち見した
からであります。
「はじめて吉田さんの本を見たのは、昭和三十年前後だったろうか。勤め先の
昼休みに丸ビルの丸善の本棚で、垂水書房刊の吉田健一著作集をなんとなく手に
取って拾い読みした。白足袋と葉巻の好きな人の令息とは知らなかった。・・
 本が読みたい、いい本はありませんか、という友人がいくらもいる。そのたびに
私は吉田さんの本をすすめる。最初の本以来、二十年以上のおつきあいである。」
 早川さんは、1919年お生まれでありますから、当方の父とほぼ同年のかたですね。
旧制中学の時に、ロンドンに留学を果たして、帰国後に日本大学を卒業し、経団連
勤務されたかただそうです。普通のサラリーマンである「本当の教養人」と紹介に
ありました。
 この吉田健一さんの本をすすめる文章は、いいですね。昭和30年ころに垂水書房の
著作集で吉田健一に出会うというくだりがよろしです。この時代には、吉田さんが
ほとんど知られていなかったようなのがわかります。そんな人の著作集をだすと
いうのが垂水書房の目のつけどころです。

さみしいネコ (大人の本棚)

さみしいネコ (大人の本棚)