昨晩は21時過ぎにはふとんにはいって小説「鳥を放つ」を読み始めましたが、めで
たくすぐに寝入ってしまい何度か目がさめながらも、午前3時過ぎにおきだして、W杯
の準決勝をライブで見ることができました。
本日も同じようにして、深夜にキックオフされる試合に備えることにしましょう。
そういえば、気になっていた本を図書館から借りてきました。刊行された頃に買っ
て読みましょうかと思っていたのですが、タイミングを逸して、そのまま手にするこ
ともなく、今にいたっていました。
今月はじめに新潮「波」の編輯後記を見たときに、そこに長谷川郁夫さんの新著に
関連して「吉田健一」と関わりの深い「垂水書房」について触れているところがあっ
たもので、図書館から借りて、まずは垂水書房に関するとこをつまみ読みです。
- 作者: 長谷川郁夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: 単行本
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人名索引がありまして、それで垂水書房主 天野亮さんの名前を確認して、それが
でてくるページをチェックするのであります。
垂水書房と天野亮さんについて、このように書かれていると知っていたら、この本を
もっと早くに手にするのであったし、新刊ででたときに買っておくのであったと思う
のであります。
「昭和42年の春から秋にかけて、天野亮がどんな思いで暮したかは想像したくない。
ただ事実として、吉田さんの『著作集』を生かしてくれる版元を索めて奔走したで
あろうことを思う。懸命だった。著者の最後の信頼に酬いるのに、編集者・出版人
にとってはほかに途はない。街の古本屋の平台には垂水書房の倉庫から流出される
出版物が、裏ルートを経てゾッキ本として氾濫した。
その圧倒的な量は、一人の作家を生殺しにするに足りるほどのものだった。
そのどん底から『吉田健一』が甦るだろうとは、誰もが予測することができなかっ
た。二十歳の若者にさえ、そう感じられたのである。」
人名索引によって、すぐにこのくだりが見つかりました。
長谷川郁夫さんは、当方よりも4歳ほど年長のようでありますが、この街の古本屋
の状態は、当方が大学へとはいって、古本屋歩きをしていた1970(昭和45)年にも
続いていました。当方は、この時代に何冊かの垂水版 吉田健一著作集を購入した
のですが、今となってはレアであろう「葡萄酒の色」を買っておくのであったと
悔やむのでした。