本日も早寝かな

 昨晩は21時過ぎにはふとんにはいって小説「鳥を放つ」を読み始めましたが、めで
たくすぐに寝入ってしまい何度か目がさめながらも、午前3時過ぎにおきだして、W杯
の準決勝をライブで見ることができました。
 本日も同じようにして、深夜にキックオフされる試合に備えることにしましょう。
 そういえば、気になっていた本を図書館から借りてきました。刊行された頃に買っ
て読みましょうかと思っていたのですが、タイミングを逸して、そのまま手にするこ
ともなく、今にいたっていました。
 今月はじめに新潮「波」の編輯後記を見たときに、そこに長谷川郁夫さんの新著に
関連して「吉田健一」と関わりの深い「垂水書房」について触れているところがあっ
たもので、図書館から借りて、まずは垂水書房に関するとこをつまみ読みです。

吉田健一

吉田健一

 ありがたいことに(このような本であれば当然となってしかるべきですが)巻末に
人名索引がありまして、それで垂水書房主 天野亮さんの名前を確認して、それが
でてくるページをチェックするのであります。
垂水書房と天野亮さんについて、このように書かれていると知っていたら、この本を
もっと早くに手にするのであったし、新刊ででたときに買っておくのであったと思う
のであります。
「昭和42年の春から秋にかけて、天野亮がどんな思いで暮したかは想像したくない。
ただ事実として、吉田さんの『著作集』を生かしてくれる版元を索めて奔走したで
あろうことを思う。懸命だった。著者の最後の信頼に酬いるのに、編集者・出版人
にとってはほかに途はない。街の古本屋の平台には垂水書房の倉庫から流出される
出版物が、裏ルートを経てゾッキ本として氾濫した。
その圧倒的な量は、一人の作家を生殺しにするに足りるほどのものだった。
そのどん底から『吉田健一』が甦るだろうとは、誰もが予測することができなかっ
た。二十歳の若者にさえ、そう感じられたのである。」
 人名索引によって、すぐにこのくだりが見つかりました。
 長谷川郁夫さんは、当方よりも4歳ほど年長のようでありますが、この街の古本屋
の状態は、当方が大学へとはいって、古本屋歩きをしていた1970(昭和45)年にも
続いていました。当方は、この時代に何冊かの垂水版 吉田健一著作集を購入した
のですが、今となってはレアであろう「葡萄酒の色」を買っておくのであったと
悔やむのでした。