最近買った文庫本 4

 小山清さんといえば、最近はちくま文庫からも作品集がでていました。

落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫)

落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫)

 この他、文庫ではないのですが、みすず大人の本棚からもでていますので、ここ数十
年で、今が一番小山清さんの本を入手しやすいかもしれません。
 
小さな町 (大人の本棚)

小さな町 (大人の本棚)

 当方は、同年代の人たちが太宰治のものなどに熱中して読んでいる時に、百鬼園先生
の随筆などを読むというへそまがりでありましたので、太宰治を師匠とあおぐ小山清
さんの作品にも手が伸びませんでした。
 小山さんが不幸な人生を送った後に亡くなったと知って、興味をいだいたのでありま
しょう。いまでもそうでありますが、志をとげることなく、亡くなった人は少なくはない
ものの、それにしても不幸に不幸が重なったような小山さんであります。
 筑摩書房からでた「小山清全集」は購入することがなしで、はじめて買ったのは、これ
旺文社文庫のものでした。
いまほど検索をしてみましたが、旺文社文庫のものはリンクがされていません。今回の
講談社文芸文庫の資料をみてみましたら、昭和50年12月刊行とありました。
 このあと、平成6年に新潮文庫がかっての刊行されていたものの復刊ということで、
「落穂拾い・聖アンデルセン」が入手可能となりました。
落穂拾ひ・聖アンデルセン (新潮文庫)

落穂拾ひ・聖アンデルセン (新潮文庫)

 それにしても、マイナーな作家のほうが少数ではありますが熱心なファンがいるだけに、
作品が出やすいのかもしれません。その昔の売れっ子作家たちがほとんど新刊での入手が
できなくなっているときに、日々の糧の確保にも困難を来していた売れない作家たちの
本がでるというのは、不思議な感じがすることです。