湯川共和国14

 
 大阪のギャルリプチボワさんで開催されていた
湯川成一湯川書房ゆかりの美術家たち」展は、本日、終了いたしました。
 当方の湯川書房との関わりは、湯川書房が一般書を手がけて、そのPRもかねて刊行し
た「季刊湯川」を定期購読していたというだけでしかないのですが、この「季刊湯川」
を早くに拙ブログで話題としたというだけで、「湯川共和国」の人々に親しく教えを
受けることになりました。
 限定本が中心の活動を行っていた湯川書房にとって、数ものといわれる一般書への
進出は賭けのようなものでありまして、古くから湯川書房とおつきあいのあった
方々は、数ものなんかに手を出さずに、限定本一本でやればいいのにと思っていた
ようです。
 限定本の世界にとどまっていれば、当方は湯川書房の本とは縁がなくて終った
でしょう。結果、湯川書房にとってはマイナスとなる判断が、当方にとっては縁を生む
という皮肉であります。
 湯川書房のすごいと思われるのは、一般書でいけなくなったはずであるのに、その後
もなんとか持ちこたえて、会社が存続したことであります。一般書では相当に負債を
こしらえたのではないかと思われますので、そこで湯川書房を一度廃してしまって、
別会社として再開してもよかったのでしょうが、それであれば、今回のように
湯川さんを追慕しての回顧展は開催されることがなかったでありましょう。

 今後、「湯川共和国」への入国を希望する人の入り口は「ギャルリプチボワ」となる
ようです。当分は、定期路線の運行はありませんが、「湯川共和国」への入国を希望
する方は、じっと時がくるのを待つことといたしましょう。