国語の教科書11

 筑摩「現代国語」2年生を見ていますが、どのようなものがのっていたのか、
ほんとうに忘れていることです。中島敦の「山月記」は習った記憶があるのですが、
これが2年生であったことは、今回教科書を手にして再確認しました。先日にネット
で検索をしていましたら、学校の教科書で見た記憶があるのだが、あれはなんという
タイトルのものであるとか、質問を発している人がいました。
「それはたぶん、坂口安吾の『ラムネ氏のこと』」と回答している人がいました。
この「ラムネ氏のこと」という文章なども、2年教科書にあって傍線を引いて読んで
いるにもかかわらず、まったく記憶に残っていないのですから、いやはやです。
 太宰治とか坂口安吾石川啄木というような若い人に人気のある作家や詩人の
ものも取り上げられているのですが、これらに、がつんと衝撃を受けることは
ありませんでした。そういえば、高校2年のときに、これを読んで感動したからと
いって同級生にすすめられた作品は倉田百三の「出家とその弟子」でありました。
そういわれれば読まねばとなかば義理を果たすように読んだのでありますが、これが
ほとんどあたまに入りませんでした。
 教科書への書き込みを見ましたら、詩の単元のところにずいぶんと鉛筆で落書きの
ように書かれていました。このように書かせるにいたったのは、国語の教師が力を
いれて教えていたからでしょうか。自分が興味をもっていたとすれば、そのあとで
この詩人のほかの作品を読んでいたに違いありませんが、そのようなこともなしで
すからね。
 詩の単元の学習の手引きには、次のようにあります。
「 これまで学習してきた室生犀星萩原朔太郎三好達治の三人の詩では、どれが
いちばん好きか。三人の詩風の違いをあげながら、心ひかれる点について話し合って
みよう。」
 ちなみに、教科書に掲載されている作品は、以下のものです。

室生犀星  「小景異情」より
      せつなき思ひぞ知る
      くつした

萩原朔太郎 竹 
      群集の中を求めて歩く
      漂泊者の歌

三好達治  こだま
      故郷の街
      山鳩   
  
 この三人の詩ではどれがいちばん好きかという問いかけに対して、なんのメモも
教科書には記されてはいませんでした。当方にとって萩原朔太郎でないことはたしか
でありますが、教師は朔太郎派であったのかもしれません。