セレクトショップ型書店かな

 朝日新聞出版からでている「一冊の本」6月号には、「書店はこんなに
心地いい!」という文章が巻頭随筆としてあります。著者は「青田恵一」と
いう書店・出版コンサルタントというかたです。( いつの間にか、新聞社の
出版部が分社化している。
朝日新聞に限らずマスコミ各社は、広告が激減していて営業成績がよろしくないと
ありますので、それも影響していますのでしょうか。)
 この青田恵一さんの文章には次にようにあります。
「 学生時代、突然、本を読みはじめた私は、毎日、自分の住まいみたいに、
書店に入り浸ったものである。・・入り浸ったあの頃に比べると、書店は格段に
進化してきたと思う。列島各地に、旭屋書店紀伊国屋書店三省堂書店などの
全国チェーン、あるいは地元の書店が大規模店をもうけ、豊かで幅広い品揃えを
提供している。明快なコンセプトを持つお店も多くなった。後発で登場したリブロや
八重洲ブックセンタージュンク堂書店は、専門書にシフトし、読者に深い印象を
与えた。・・・
 それにつけても、いま密度の濃い雰囲気を放つのは、一冊一冊を、店長なり
スタッフの感性で選ぶセレクトショップ型書店である。その適例が、神戸井戸書店、
京都恵文社一乗寺、渋谷ブックセラーズ、鳥取定有堂書店、京都パルナ書店などで
あり、青山ブックセンターはその先駆といえた。」
 そんなにこだわっていなくともいいので、小生このみの本がこじんまりとして
品揃えのいいところはないでしょうかね。上にあがっている店で、小生が足を踏み
入れた店はほとんどなくて、特に鳥取定有堂書店なんて、いかずに終わってしまう
のではないかと思ってしまいます。業界人に受けているだけでなくて、ちゃんと
土地の人にも支持されて商売となっているのでしょうか。
 この「一冊の本」には、永江朗が「セゾンの人々」を連載しています。6月号は、
「リブロのこと 下」でありますが、この書き出しは、次のようになっています。
「 いささかおおげさな言い方を許していただきたい。リブロの登場は、日本の
書店の棚を変えた。日本の書店の棚は、リブロ以前とリブロ以後に分かれる。」
 小生の住む町にリブロなんてなかったからして、リブロ以後も以前もわからない
ことであります。地方に住む人間にとっては、アマゾン以前、以後ということや、
日本の古本屋以前、以後というのは実感としてわかることです。