ストリートワイズ 3

 講談社文庫「ストリートワイズ」坪内祐三さんのあとがきには、この本を元版を
だした97年4月から現在までに、三十作に近い本を刊行したとあります。
「文庫本福袋」「三茶日記」とかのように連載されているものをまとめたものも
ありますので、そこそこ出してはいるだろうとは思いましたが、三十作に近いほどに
なっているとは思いませんでした。いつころまでかは、新刊はでるたびに購入をして
いたのですが、最近では見逃すか、または購入を見送りをすることがおこってきま
した。「本の雑誌」に連載されているもののように、雑誌掲載時に読んでいて、
まとまったのを機にあらためて読むとはなっていないものがあります。
 それとくらべると、週刊文春に連載の「文庫本福袋」は、普段はめったに図書館
から借りることはないのですが、図書館から借りて読むという珍しいシリーズです。
古本で安く入手するか、文庫本になってはじめて自分のものとするのですが、
この連載の初回からのものは「シブい本」(文芸春秋社 97年刊 )
 この本の表紙は「のらくろ」がかざっているのですが、この本のあとがきでは、
自分の学生時代に読んだ本で忘れられない開高健「白昼の白想」と谷沢永一「完本
かみつぶて」の編集者である萬玉邦夫さんによって、初めての書評集作ってもらい
夢のようであるといっています。
 「シブい本」というタイトルはとてもよろしいと思うのですが、文庫本福袋で
シリーズかされている文章がまじっていたりするために、初出の「シブい本」の
内容では文庫本になったりすることはないようです。
一度、古本を検索しているときにみましたなら、この本がえらく高価でありましたが、
それは、この本がこの形では復刊することがないということを、坪内ファンが
見越してのことでしょうか。