女の夢 男の夢

 「女の夢 男の夢」というのは、かって河出書房の編集者であった田邊園子さんの
著書のタイトルであります。いまでもそんなに文芸担当の女性編集者は多くなかった
はずでありますが、田邊さんが編集者をしていたときには、どのよういう女性編集やが
いたのでしょう。
 この本を刊行したのは作品社ですが、この「作品社」は河出書房が経営危機におち
いった人が別れた人々によってできたところであります。
この本のあとがきには、田邊さんが次のように記しています。
「編集者として私が出版社に勤務をしていたのは、大学をでてからの17年間にすぎ
ない。それでも、ここで登場していない多くの人々との出会いがあり、忘れ得ぬこも
ごもの思い出がある。ここには、書き残しておかなけれならないいくつかの体験を
含めて、人や作品や女の生き方について記したものを収める。」