本日の日記から

 本日のことを、公開日記では、どのように書いているだろうかと、近くにおいて
ある「成城たより」で確認する。本日は、自分にとっては意味があるので、この日に
ついて、すこし話題にしうるようなことが見いだせればいいのにと思うが、大岡昇平
さんは、文芸春秋社からの元版を見る限りにおいて、1から3のいずれでも2月
18日の記載はみあたらないのでありました。ここらあたりに締め切りがあるから、
その前でうち切られているのだろうかと、相当に残念な気持ちになりました。
 そのとなりには、島尾敏雄「日の移ろい」正続がおかれていて、続は昭和48年4月
から同年11月までの記録とありますので、はなから2月についての記載はありません。
正のほうは、昭和47年4月から48年3月31日までのもので、こちらは2月が
はいっていますので、なかをチェックの必要がありです。
 なのに、2月17日から19日にぽんととんでいます。せっかく楽しみにしたのに、
それはないだろうと声がでそうになりました。前日の17日はずいぶんとたくさんの
記載があって、この半分でも翌日にまわせばいいだろうにと思うのですが。
 48年2月17日、島尾敏雄さんは、いまだ名瀬市に居住し、県立図書館の分館の
館長さんをしていた時代です。
「なまあたたかい風が吹いている。川の仲に投げ込まれた浮子が流れにあやつられ
その頭を水面に持上げるように、上向きの気分がひょいひょいと浮き上がっていた。
まるで光明の粒子がわたしの暗い心の部屋をいたずらっぽく覗き見している感じだ。」
立春を過ぎて、春一番のニュースが聞かれる時期でありますが、名瀬市は当然の
ことながら、春の息吹を感じることでありましょう。
 これまでうつ傾向で暮らしていた人も、すこしは精神のありようが上向きになって
いくのでした。