航西日誌 堀田善衛

 この「航西日録」には、心残りのことということで、思いがけない
エピソードが紹介されていました。
「 心残りのこと。おしのびで日本にきているジョン・レノン君に宗教
音楽についての彼の考え方などを聞きたかったが、これも果たせなかった。
私がビートルズなるものの音楽性に気づいたのは、妙なことからであった。
・・・
 ジョン・レノンオノ・ヨーコ夫妻が日本へ来てのもう一つの驚きは、
依頼をされて人を介して一流の日本風旅館をーその方が、ホテルよりも
秘密をたもちやすいーーさがしたところ、さがしたところ、F屋ただ1軒
のみを残して、東京ではほとんどみなが廃業してしまっていることであった。
維持できないとのことであるあった」。」
このようなところで、ジョン・レノンの名前がでてくるとは思っても
みませんでした。
 これをみると、堀田善衛とジョンレノンの接点は、どこかのでしょうね。
なんとなく、名門の一族のでであるオノヨーコさんは、日本では前衛芸術家と
して活動をしていましたので、そのときに顔なじみであったのでしょうか。
オノヨーコさんは、やはり前衛音楽家である一柳としというひとの奥さんで
ありました。どちらにしても、こうした芸術家をかこむサロンのような
ものがあって、そこでおつきあいがはじまったのでありましょうか。