ねころんでは読めない本

 昨日に、画家の中村宏さんの不思議な絵が「ハイスクールライフ」にはあったと
記しましたが、ネットで検索をしていたら、今年に中村宏さんの「回顧展」が
あって、東京現代美術館のページには、中村さんの作品が掲載されていました。
そうそう、このような絵画であったよなと思ってから、さらに続けて、中村さんの
不思議な本についてをさがしていたのですが、昨日に続いてまたまた松岡正剛さんの
ページで目が点になってしまいました。

 千夜千冊の「日本・現代・美術」 椹木野衣 についてのページ

「 ぼくの結婚式の仲人は中村宏である。10人たらずの結婚式を目黒の大鳥神社
あげた。
 そのまま京都の稲垣足穂の家に行った。そのときも中村宏夫妻が同行した。
中村宏はそのような新婚旅行は前代未聞だと言って、半分笑い、半分は気の毒そうな
顔をしていた。
 中村宏を知る人は少ないだろうが、前衛美術会を主宰し、山下菊二やタイガー立石
ともに『タブロオは自己批判しない』という有名な主張をした油彩画家である当時は
機関車とセーラー服ばかりを描いていたが、その後はルネサンスの空気遠近法と
20世紀科学のローレンツ短縮の理論などを援用して、しだいに動力学の相対化や
加速度的な風景の瞬間などを描いている。
 ぼくが日本の現代美術を最初に見ていた窓は、この中村宏の周辺からはじまっている。
近くに中西夏之赤瀬川原平池田龍雄河原温、中原祐介、そして山下菊二たちが
いた。」

 中村宏という名前を「ハイスクールライフ」ではじめて知ったのは、昨日もふれた
ところですが、この中村さんが松岡さんの結婚式の仲人というのに驚き。
目黒の大鳥神社で式をあげたというのに親近感を感じました。( 小生は、そのすぐ
近所のアパートに住んでいたことがありました。)
 稲垣足穂中村宏さんは、「機械学入門」という本を共著しているのですが、
もちろん、これの仕掛け人は、松岡正剛さんでありましたでしょう。中村さんには、
銅板に印刷をしたとかいうものがあったのですが、本というよりも金属の塊のような
ものですが、重さが数十キロもあると聞いたことがあります。あの塊を買った人は、
ねころんで読むなんてことはできないでしょうが、あのオブジェは、今年にあった
展覧会には展示となったのでありましょうか。
(ずいぶんと値段が高かったようにも思うのですが、いったい、どのくらいの値段で、
何冊でたものでしたろうか。)