洋書の夜明け

 本日は職場の忘年会がありまして、すこしアルコールがはいっております。
小生は、お酒が弱くて、すぐに眠くなりますので、さきほどまでうとうととして
おりました。
 いまはちょっと目が開いていますので、いまのうちに本日のノルマをやっつけて
しまいます。アルコールがはいっているときには、手近にあります「ちくま」から
お手軽な引用をして、お茶を濁すこととします。
 本日は、このような時代があったという話です。
 1ドルが固定相場で360円という時代は、ずいぶんと続きました。外国にいくに
金をもっていくのに制限があったりしたなんて、最近のお若い方には思いもよらない
ことでしょう。こうした固定相場のなごりは、洋書の値段に残っておりまして、
アマゾンがのしてくるまで、洋書のねだんというのは、為替相場がむかしの固定では
ないかと思うくらいでして、ずいぶんと高くかんじたものです。
 本日の件名は「ちくま」12月号、菅野昭正さんの文章からいただきです。
「 戦争中から途絶えていた外国書の輸入が、ようやく再開されるようになったのは、
1949年、夏がはじまろうとする頃だった。だれか友人にその重大な情報を教えられて
午後の授業んじ真面目にでたあと、日本橋丸善へさっそく出かけていったのを覚えて
いる。・・
  さて、新しい洋書が買えるその初体験の日の印象である。たしか三階だったと
覚えているが、丸善の洋書売場の棚に、ずらりならんだ新刊の横文字の本の列は、
夢幻的な光景とでもいえばよいのか、なんだか現実離れしているようにさえ、見えた。」

 戦時中の丸善は、洋書でうるものがなくて、相当にたいへんであったと思いますが、
なんとか乗り越えて、高度成長時期で力をたくわえて、あまぞんのような黒船に
破れて経営不振におちいったのでした。
 どんどん、丸善は、むかしのものとは違った会社のようになっています、
 丸善は輸入衣料も含めて、読書人にとっては、西洋への雑貨やさんのような具合で
ありました。