各社企画物

武満徹全集 第1巻 管弦楽曲

武満徹全集 第1巻 管弦楽曲

 「本の雑誌」12月号をみていましたら、「三角窓口」という読者の投稿欄に
次のようにありました。
「秋は各社企画物の拡販の季節。今年は河出の『世界文学全集』気合いをいれて
売っていまーす。正直、心底売りたいと思った企画は、『武満徹全集』(小学館
以来です。本当に気にいった小品をおすすめできるってうれしいですね。
 海外小説を読んできてよかった。』
 盛岡の営業担当のかたからの投稿のようですが、心底うりたいと思った企画と
して「武満徹全集」があがっているのに、拍手です。
いまから5年ほど前に刊行されたものですが、これは武満徹さんの作曲した音源を
もとにCDと、武満に関する文章であつめた全集でありました。(したがって、
新潮社からの著作は含まれていません。)
 これは小学館の編集者が心血を注いでまとめた全集で、日本の作曲家の仕事で
これだけの大型企画にしあげた力業に脱帽をします。
この企画は価格も相当のものでありまして、よほど好きな人でなくては、購入する
ことはできないものですが、決して多くないファンにむけてきちんとしたメッセージを
おくって、商売としてもそこそこにもっていったのがすごいことと思いました。
この全集は、とっても詳細な内容見本を用意してあって、この内容見本をみるだけ
でも、この全集にかける意気込みが伺えるのでした。
そういえば、この内容見本は、この10年くらいのものではベストにちかいものでは
なかったろうかな。