老後の準備

 庄野潤三さんの最近作品は、すべて夫婦二人の生活ぶりについてのものです。
「こどもが大きくなり、結婚して、家に夫婦二人きりで暮らすようになってから
年月たった。孫の数も増えた。そんな夫婦がどんなことをよろこび、毎日を送って
いるかを書きたいと思うようになってどのくらいになるだろう。」
 これは最近、文春文庫にはいった「山田さんの鈴虫」のあとがきの一節であり
ます。
 この老後シリーズは、96年に一冊目の「貝がらと海の音」がでてから、
欠かさずに連載がされていますが、これで一番驚くのは、連載される文芸誌が
新潮、講談社、文春となっていることです。新潮文庫と文春文庫では、この
シリーズを収録しているが、講談社文庫にはおさまっているでしょうかね。
 (庄野さんのシリーズについて、もすこし記していたのですが、さきほど誤って
消してしまいまして、がっくりときました。時間もおそくなっているので、
続きは、明日にしましょう。)