「星星峡」幻冬舎 

 先日にたちよった大きな本屋のレジカウンターに「星星峡」というPR冊子が
あって、これを入手することができました。これは幻冬舎がだしている冊子で
ありまして、すでに10年もだしているというのに、手にしたのははじめての
ことでありました。角川を退社した編集者 見城さんがおこした幻冬舎は、近年に
なっておこされた出版社としては、もっともうまくいっているものでしょうが、
どちらかというと、小生の好みの路線ではありませんので、幻冬舎のものを手に
することはあまりありません。
 この幻冬舎はWEBマガジンが充実しているのは承知しておりましたので、PRに
ついては、ここで行われていて、まさかこれとは別に紙媒体の冊子をつくって
いるとは思ってもいませんでした。
このWEBマガジンには、上原隆さんの「リンカーンの犬」という連載がありました。
この連載で「新日本文学会」の解散大会のときの小沢信男さんの提起を中継風に
とりあげていただいたことで、小沢さんの苦渋を知ることができたのでした。
幻冬舎と、上原隆さんという組み合わせもミスマッチのようでありますが、この
幻冬者には「アウトロー文庫」なんてのが用意されていますので、無理すれば、
この範疇におさまらないこともないか。この「アウトロー文庫」に一番ふさわしい
のは、「真剣師 小池重明」のようなものでしょう。
 「星星峡」というのは、「中国西北地区西部に位置する街 きわめて荒涼とした
光景がひとがり、そこから先は果てしない異国といわれている。」とあります。
半分は連載小説ですから、これから幻冬舎が文芸誌を刊行するとしたら、これが
ベースになるのでしょうか。
 エッセイは「椹木野衣」と「中条省平」の二本があって、なかなか豪華です。
(椹木さんという人は、京都の通りの名前をとってペンネームにしたときいて
おりました。いかにもペンネームらしいやと思っておりましたが、先日の京都で
三条河原町のコンビニに立ち寄りましたら、そこのレジにたっている男性の
ネームに椹木とありまして、実際にこのような姓の人に遭遇したことに軽い驚き
がありました。) 
 中条省平さんは、臨川書店「差別とむきあうマンガたち」という本をとりあげつつ、
西原理恵子の「毎日かあさん」が巻き込まれる差別事件についてふれられるので
ありました。