勝負事の世界 4

 幻冬舎アウトロー文庫にはいった団鬼六さんの「真剣師 小池重明」を手にする
ことがなければ、今回の「赦す人 団鬼六伝」を読むこともなかったかもしれませ
ん。当方は、団鬼六さんに関心はあるものの、いまだに代表作である「花と蛇」を
読んではおりませんし、幻冬舎アウトロー文庫にはいっている他の多くの作品も
読んでおりません。( 団鬼六さんが、このようにメジャーとなるにいたったのは、
この「赦す人」を見て、角川文庫で団鬼六さんを担当し、その後幻冬舎をおこした
見城徹さんの力であることがわかりました。)
 そう思って、この文庫本「赦す人」の解説をみましたら詰将棋作家という肩書き
若島正さんが、次のように記していました。
「わたしは団鬼六に会ったことがない。それを言うなら、恥ずかしながら、『花と
蛇』を代表作とするSM小説も読んだことがない。それではたしてこの解説を書く
資格があるのかどうか、大いに疑問だと言わざるをえないが、それでも将棋という
ささやかな一点で間接的なつながりがあるので、それだけをたよりに書いてみよう
と思う。」
 「将棋というささやかな一点で、間接的なつながり」というのが、どういうこと
であるかは、この文庫の解説を直接みてもらうこととして、詰将棋作家としては、
プロ級である若島さんとは、もちろん「あの若島さんと同一人物」であります。
「思えば、もうずいぶん遠い過去の話になってしまったが、わたしにも将棋に狂った
一時期があった。」とありました。
 そういえば、今年の若月さんは「本の雑誌」にコラムを連載していまして、それ
を見たときに、当方は話題にしていたことがありました。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20150114 )