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 遅ればせで編集グループSUREから届いた鶴見俊輔さんの「日本の地下水」を

手にすることになりです。届いたのは6月6日でしたので、ずいぶんと寝かせて

おいたことになりです。

 「思想の科学」には「日本の地下水」という連載がありまして、その中から

鶴見さんが担当した回をまとめたものとなります。この本の副題は「ちいさな

メディアから」となっているのですが、60年代から70年代にかけてもいわ

ゆるミニコミというかサークルが刊行した冊子などをとりあげて、それを話題に

しています。

 本日にパラパラとページをめくっていて目に入ったのは、大泉黒石についての

文章で、取り上げている冊子は1970年10月号「ユリイカ」でありました。

 鶴見さんが「黒石怪奇物語集」を購入して、その巻末におかれた由良君美

解説を読んだら、大泉黒石の資料として由良君美が「ユリイカ」に書いた文章

があげられて、その「ユリイカ」のバックナンバーを探してみて「無為の饒舌」

という大泉黒石の伝記を読むことで、「ジャーナリズムから消えたあとの50年

近い黒石の生涯を知ることができた」とのことであります。

 このとりあげで、青土社が復活させた第二次「ユリイカ」は、1970年くら

いにはまだミニコミに毛が生えたくらいのものであったということがわかりま

す。

 それはさて、由良君美さんの「無為の饒舌」というのは、どこに収録されてい

るのかなと検索をかけてみましたら「風狂 虎の巻」にあることがわかりました。

この本はどこかにあるはずで、これをさがしてみようです。

 それよりも手近にあるものといえば、岩波「図書」に連載されていた四方田さん

の「大泉黒石」ではないですか。ということで、すぐ近くに積まれている「図書」

を手にしましたら、これはすでに終わっているらしで、別の場所にある過去分を

探してみることにです。

 四方田さん連載の最終回は「図書」4月号に掲載でありました。

「二十回にわたる連載を終えるにあたって、大泉黒石の生涯を振り返ってみよう。」

 連載が始まったころには読んでいたのですが、二、三回読んだくらいであとは

なげていました。これはもったいないことで、ということで最終回からすこし

さかのぼってみることにしましょうです。

この連載のどこかで、四方田さんは由良先生のことに言及しているでありましょう

か。これが単行本になるのは、まだ先のことのようですから、まずは過去号で

チェックすることにいたしましょう。