「ちくま」9月号で目にとまった文章の二つ目は中条省平さんの「本にまつわる未知
の世界へ」であります。これは8月にでたちくま文庫新刊についての文章でした。
取り上げられているのは、山田英生編「ビブリオ漫画文庫」であります。
- 作者: 山田英生
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/08/07
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (8件) を見る
ありますが、まったく目にとまっておりませんでした。この案内に、次のようなリード
文があるにもかかわらずです。
「 本の魔力に取り憑かれた人々 古書店、図書館など、本をテーマにした傑作漫画集」
当方はコミックの世界に不案内なせいもありまして、先月号の刊行案内ページを目にし
たときも、本のタイトルだけで、下に置かれた上記のところを見逃していたようです。
今回、ちょっと遅れて中条さんの文章で、この文庫本のことが気になりました。
特には、中条さんの最後のくだりです。
「本書のなかで唯一、古本とほとんど無関係に展開する痛快冒険漫画が、宮武外骨を
モデルにした湊谷夢吉の『粗骨の果』です。これは出版に文字どおり命をかけた奇人を
描く歴史ものでありながら、・・・」
湊谷夢吉さんという人の名前を山口昌男さんの書いたもので見た記憶があって、その
方の作品を見ることができるのでありますね。湊谷さんは、古風なペンネームであるせ
いもあって、ずいぶん年の多い方であるのだろうと思って、検索をかけてみましたら、
なんと1950年生まれということで、ほぼ当方と同年でありました。なんとどこかですれ
違っていたとしても不思議でないと思うのですが、1988年には亡くなっていました。
この文庫本で、まずは湊谷作品を読んでみることにしましょう。