旅行で自宅を不在にしていたときに、出版社からPR冊子が届いておりました。
自宅に戻ったら、数社から届いているせいもあって、なかなか中をみることも
できずにおります。ぱらぱらとページを開いてとりあえずのチェックです。
岩波「図書」のトップに高橋三千綱が「105円のアドベンチャー」という
文章をよせています。岩波のトップにも「105円」本の話題でありますかと、
カルチャーショックのようなことを感じることです。105円で売られている
本について、買い切り制度で書籍の流通をしている「岩波」のPR誌にのると
いうのがミスマッチです。
最近は、古本ブームでありますから、ちくまには「岡崎武志」さんが女性の
古本やさんについてのルポがあって、みすずにも「古本や行脚」の文章がのって
います。「図書」にのる古本であれば、さぞかし格調がたかいものと思いきや
ですが、「105円」の本でした。
PR誌「図書」と「みすず」の読者のどちらが「ブックオフ」に縁遠いので
しょうか。高橋三千綱が書くところは、ブックオフの常連にとって周知のこと
ばかりであります。
「 店内には新古本がおかれているが、通りに面した壁際にも棚をつくって、
古本をならべいる。主に単行本だが、新書や文庫、漫画本もあって、どれでも
一冊百円、消費税込みで百五円という乱暴ぶりである。
なぜ乱暴かというと、かなり著名な作家や学者が書いた本も。雨ざらしで
おかれていて、『えーい面倒だあ、どれでも105円だあー、もっってけ泥棒』
と叫んでいるように感じられるからであった。・・・
びっくりしたのは、新潮日本文学が、ドーンと十冊ならんでいたのをみたときで
ある。周囲に誰もいないのに、あわてて全部購入した。部屋まで持って帰る間、
わたしの開高健様が、室生犀星様がと思って、涙ぐみそうになった。」