刊行中止の知らせ

 みすずが提供している「出版ダイジェスト」(10月1日号)が届きました。
最近のみすずは、ずいぶんと路線をかえていて、そのむかしの「晶文社」を
ほうふつとさせます。最近話題になっている坪内祐三さんの「四百字十一枚」と
いうものとか、ソンダク「土星の徴の下に」は、以前のものは「晶文社」から
でていたのでした。
 もちろん、みすずの健闘には拍手をおくるのでありますが、かっての晶文社が、
最近精彩を欠いているのが残念であります。ソンダクはとっても理屈っぽいので
ありますが、この「土星の徴の下に」における「ポールグッドマン」を追悼する
文章などは、ストレートな気持がはいっていて、ソンダクのものとしては、
例外的に読みやすいと感じるのでした。この「出版ダイジェスト」には、この
土星の徴の下に」の紹介文が掲載されているのですが、無署名ですが、良き
宣伝文となっています。
「『解釈学のかわりに、われわれは芸術のエロチックスを必要としている』
  ソンダクはこう宣言して颯爽とアメリカの論断に登場し、一躍時代の
寵児となった。その彼女も2004年に癌でなくなり、寂しい限りである。
イラク問題一つをとっても、生きていれば、今どう発言したろうかと考えざるを
えない。
 二つの世紀を挟んで、大きく現代を代表する批評家をあげるとすれば、
いろいろと異論はあろうが、ジョージ・スタイナーとスーザン・ソンダクの
二人をあげるひとがあっても、おかしくはないだろう。」

 またこの「月刊ダイジェスト」には、みすず「刊行中止のお知らせ」という
CMがのっています。この2冊が、なぜに刊行中止となったかはわかりま
せんが、背景をしりたいものです。
 「 大川周明イスラーム」板垣祐三編集。どのような内容のものであった
のかわかりまえんが、04年12月に新刊案内をたしかにしているようで
あるのです。
 あと一冊の中止本は、「山本耀司鷲田清一による本「Y」でした。 
 こうした本がでなくなったことの理由を本当に知りたいことで
あります。