「サライ 京都特集」

 小学館からでている雑誌「サライ」は、熟年層を主なターゲットに編集を
していますが、年に二度、春と秋に「京都特集」をしているのです。
春は桜見物が、秋は紅葉見物がのおすすめとなります。このように
年に二回もやっていれば、話題がかぶらないはずがありません。
 今回の特集で目をひいたのは、「京都庶民の住まい方を追体験」と
ある「町家」の暮らしについてのものです。このところで京都でも最古の
町家となる建物での暮らしについて語っているのは、文学者 杉本秀太郎さん
でした。杉本さんが、祇園祭のときに山車をだす町内に住んでいて、
旧家であるとは承知しておりましたが、自宅がこのように文化財として
公開されているとは知りませんでした。そのむかしは、呉服商としてやって
いて「奈良屋」というのが屋号であったとありますが、間口16間、奥行き
20間の大店です。このたてものを維持するのは、そうとうに大変なことで
あるようです。
 文化財ではありますが、いまも杉本さんは家族でそこに住んで暮らしの
文化を守っているのだそうです。財団法人化しているのですが、このような
文化を引き継いでいくというのは、家族の犠牲の上になりたっているようです。