「波」9月号から

 新潮社の「波」9月号が手元に届きまして、「古本つれづれ草」をみました。
ここには、古書目録が届いてそこに掲載されているほんをファックスを送信して
注文するというくだりがあります。
 これには、つぎのようなコメントがついています。
「古書目録の注文方法は二種類。抽選と先着順である。抽選は公平に見えるが、
情実の入らない先着順のほうが実は公平。この山沢書店は、美術の専門店であり、
安さと品揃えには定評がある。この店は先着順。」
 目録を見て、なにがなんでも確保しなくてはいけないというような気持ちに
なったことはないのですが、それでも、先着順のほうが情実ははいらないので
公平といわれても、目録の発行元のほとんどが、自分の住まいから遠いところに
ある場合は、その公平感というのを実感することができないことです。
これは注文が重なるであろうなと思った本については、ほぼすべて入手することが
できずでありまして、これはすんでいるところのハンディであるので、あきらめる
しかないと考えているのです。
 「波」の10月刊行予定リストに「きまぐれ美術館シリーズ」(全6冊セット)と
いうのが見えました。洲之内徹さんの「きまぐれ美術館」は新潮文庫にはいって、
ふところ具合のよろしくない読書子のかっさいをあびていて、このあと全6冊が
文庫でそろうことを待望されていたのですが、それよりまえに元版での6冊セット
販売ということは、残りの文庫化はいつになるかわからなくなったということか。
6冊セットというのは、ばらうりをしないというようにもみえますし、あと一冊で
そろうのになんていっている人は、やはり古本で確保するしかないのでしょうか。
(まあネット古書店では、そんなにむずかしくなく揃うのでありますが。)
 これまでの版では、最後になって箱入りでなくなったことが残念といわれていま
すが、このセットでは、全6冊まとめてケースにおさめるようにするのでしょうか。
その場合の、各冊の奥付けの処理はどのようになるのでしょうね。