夏休みモード

 夏休みモードにはいっているせいか、本日の朝日新聞「読書欄」は、いつもの
評者が新刊を取り上げる方式ではなく、「夏の読書特集」ということで、「旅に
ついての本」の取り上げとなっていました。この特集では、鹿島茂さんと森まゆみ
さんの対談形式の紙面もあるのですが、なぜか、あまりおもしろくない。
 この対談の最後は、森まゆみさんの次の発言でおわっています。
「 ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し   私は子育てと
自分の町に縛りつけられていた頃、旅行記をいちばん読んだかな。」
 旅行にいきたいと思ってもいくことができないので、旅行記をたくさん読んだと
いうのとくらべると、当方の現状は、行こうとさえ思えばいけるのだが、おっくうで
いかないということでしょうか。好奇心がおちてしまっていることが、未知の土地
に足を向けさせなくなっているのかもしれません。
 この特集には、探検家 関野吉晴さんが「秘境」についてのおすすめの本を
5冊あげていますが、それについてのコメントが、ちょっと興味をそそりました。
「 大航海時代、多くの冒険家たちが未知の大海原に繰り出していった。
 彼らを駆り立てたのは3G(GLORY GOLD GOSPEL)といわれたが、20世紀初頭には
 GLORYがわずかに残っているだけ。・・・・
  強い好奇心とあくなく探求心、そこへすむ人への共感だ。極限の地を歩きながら 
 国家と民族、人間と自然など、人類の普遍的な問題に出会いながらも自分の眼で
 観察し、土地の人たちと深く交わって書きつづったものだけに、おもしろいだけで
 なく説得力がある。」