「エスペラント」田中克彦

 岩波新書の新刊「エスペラント」を購入しました。著者はモンゴル学者の
田中克彦さんであります。田中さんは、言語学者でありますが、丸谷才一さんの
日本語論に対して異議をとなえるなど、気になる存在であります。もともとは
モンゴル語を専攻した学者さんであります。学生のころの東京外語大学での
授業のありかたについてを、いかのように記しています。
「わたしは20歳のころ、東京外語でモンゴル語を専攻する学生だった。
 ある時間に、受講生は私ひとりだけということがわかったので、担当の
小沢重男先生は、ドイツ語だけどこれを一緒に読もうやと示されたのが、
ラムステットの『モンゴル文語とウルガ方言の音声学的比較』という50ページ
ほどの論文だった。
 当時のモンゴル語学科は1学年二人から数人の学生しかいなかったので、
こんな自由な授業ができたのである。」
 このラムステットさんというひとがエスペラントをやっていたとのことです。