本日の新聞から

 昨日に「本の雑誌」1月号が届きました。1月号はいつもよりページが

多い特大号で「本の雑誌が選ぶ2018年度ベスト10」という特集が恒例

であります。(恒例というよりも吉例といいたい感じです。うんと昔には、

真ん中くらいに和田誠さんによるカラーページがあったのですよね。)

 さて、これをどのように紹介しましようかと思っていたのですが、今朝の

新聞広告を見ましたら、集英社のところに「本の雑誌が選ぶ2018年度

ベスト1」という文字がありました。「本の雑誌」のベスト1というのは、売上

につながるのでありましょうか。

本の雑誌427号2019年1月号

本の雑誌427号2019年1月号

 

  本日掲載の読書欄「著者に会いたい」というところでは、田中克彦さんが登場

です。田中さんは84歳とありますが、今回は田中克彦セレクションが完結したこと

によっての紹介となっていました。

 昨年の11月に一巻目「カルメンの穴あきくつした」がでまして、それはすぐに買っ

て、それから積読状態が続いているのですが、この時には全三巻と案内されてい

たのものが、終わってみると全四巻と増えていました。売れ行きが好調なので

増巻したというよりも、やっぱりどうやっても収まらなかったのでありましょう。

最初の案内では、二巻目は「言語一般、日本語篇」で、三巻目は「モンゴル、

中央アジアノモンハン篇」となっていました。(一巻目は「自伝的小篇と読書

ノート」)

 版元は新泉社ですから、これまで田中さんのものは出していないところで、

かって角川で田中さんを担当していた若い女性の編集者さんが、ここで企画し

てセレクションが実現したものです。

 あまり普通の書店では目にすることがないセレクションでありまして、値段も

そこそこでありますので、これまで刊行されているものからの選集となるのであ

れば、購入は見送りかなと思っているのですが、本日の新聞によりますと、次の

ようにあります。

「27歳から今日までの57年間、雑誌や新聞に書き、『ことばと国家』などの著書

には収められていないものを、言語学、モンゴルといったテーマごとに編んだ。」

ということは、ほとんどすべてが重複しないのでありましょうか。セレクションとい

うよりも補遺のようなものになるのでしょうか。

 手もとにあります「カルメンの穴あきくつした」のまえがきを見ましたら、自伝

的小文は、「昨年あらわれた『田中克彦自伝』(平凡社)の内容と一部は重なり、

時には補うものである。」とありました。他の巻についても同じでありましょうか。

言語学篇は、なかなか手がでそうもないのでありますが、モンゴルものは、ぜひ

とも買いたいものであり。

 どこか、近くの本屋で手にすることはできないかな。