洋泉社新書MC

 洋泉社という版元はどのようなところであるのかわかりませんが、
高くて手のでない新書をシリーズ化しています。前には、阿部謹也
「北の町から」(?)という小樽を舞台にしたものをだしていました。
元版のときに書店でみてなんども手にしたのですが、結局は買えなかった
のですが、新書になってもずいぶんと高いものでして、結局はいまだに
買えていません。小樽にいて、本屋のとりたてにあって、いやになると
いうはなしがあったと思いますが、このように阿部さんにいわれると
まるで本屋のほうが悪いようだと、むかしに洋書販売店に勤務して
払いの悪い学者相手に苦闘したことのある永江朗は書いてありました。
以前に書きました由良君美さんについての評判も、この永江のちくま
文庫「不良のための読書術」にあるのでした。
 本日の新聞広告に「三代の系譜」阪谷芳直というのがでておりました。
新書で2100円というのですから、ほんとに高い。この阪谷さんという
人は、名門の出身であるせいもあり、三代の系譜について書いているので
ありますが、一番最初に知るにいたったのは、中江丑吉についての著作に
よってでありました。ごくごく若いころに中江丑吉にかわいがられて、
いたように思います。(中江丑吉は兆民の息子です。中国の思想史研究家で
あります。)
 この人のものは、剄草書房からでていましたが、この三代の系譜だけは
みすずでした。この本にあります系図を見ていますと、このようにして
エスタブリッシュは形成されるのかと思ったものです。