本日の朝日新聞の「袖のボタン」で丸谷才一さんが、岩波文庫との
これまでのつきあいについて書いていました。旧制中学にはいって
鶴岡市の本屋で最初に購入して、次はこれに買って、いろいろと知的な
刺激をうけていまにいたっているが、あえて苦言を呈すれば、かくかく
しかじかとあるのですが、この苦言には納得であります。
岩波の「図書」でやっていたアンケートにならえば、次のような
問いが、自分へ、そしてこれを読んでくださる皆さんにもできるで
しょうか。
1 あなたにとって最初の岩波文庫はなにですか、
2 愛着のあるものを3冊あげてください
3 岩波文庫入りを希望するものは
1 このように質問を作ってから考えると、これがけっこう難しいです。
なぜ難しいかというと、小生が住んでいた町には岩波文庫をおいて
いる本屋がなかったせいもあります。(そもそも住んでいる町に本屋は
なかったのです。)しかも、岩波文庫をおいているような高級な本屋は
バスにのって40分も離れたところにしかなかったのでした。
町でくらすようになってか、それとも町にでたときに岩波文庫を
購入したのですが、最初の本が特定できない。これは当時の手帖メモを
見ても特定することはできないでしょう。たぶん、高校生のころに
であっているはずですが、それは父の書架にあったものか、それとも
自分で購入したものであったのでしょうか。
最初に手にしたものとしては、残念ながら夏目漱石のものくらいしか
思いつかないのです。これがいかにも平凡であります。
2 愛着あるものとしては、次のもの。
・ 千夜一夜物語 マルドリュス版
とにかく長くてほかのひとがなかなか手がださないせいもあります。
全部で厚いもの薄いものの全部で31冊くらいではなかったでしょうか。
(調べればすぐにわかるのに、これも記憶で)
とにかく長い岩波文庫で読みやすいものを読んでいたことがあって、
そのときに読破したのでした。
・ ヂュマ「モンテクリスト」「三銃士」
ほとんどエンタテインメントでありますが、このような読みやすい
ものが岩波文庫のいいところです。ロシアものの長いものは読んで
いませんね。岩波の赤帯というと大衆文学の宝庫でありまして、
まずは、岩波文庫への入門書には、赤帯のエンタテインメントが
おすすめなのです。
・ 小公子 若松賤子訳
児童文学でもいろいろとあるのですが、ここは「あしながおじさん」に
ひいてもらって、小公子です。そのむかしにNHKFMで朗読をしており
まして、不思議な日本語に驚いて聞いておりました。
「 ありませんかった。」なんていういいまわしがあり、話し言葉が
まだ確立していない時代の日本語を楽しむことができるのでした。
3 希望するもの
・ シベリア物語 長谷川四郎
・ エロシェンコ作品集 高杉一郎編
以上は、本日の思いつきでありまして、数日たってためして
みましたら、まったく違う結果になるかもしれません。