入手するのに時間がかかった本。

 普通に販売している本であれば、たいていは新刊の時に
入手することができるようです。最近は、ずいぶんと情報が
多くなっていますので、刊行されることがわかれば、
ほとんど入手できないということはないでしょう。
 例外は、自費出版のものですが、それとてなんとか入手
できそうな気がしています。
72年にでた森亮さんの自費出版詩集「庭と夜のうた」は
版元こそ筑摩書房でありますが、500部すくないせいも
あって、新聞で一度紹介されているのをみただけで、あとは
まったく聞くこともなしで、小生にとってはまぼろしの詩集と
なっていたのでした。
 「日本の古本屋」のサイトで検索をしたら、この詩集に
あたりまして、注文をしましたら無事に確保することが
できました。これの存在を知ってから、入手まで34年か
かりましたから、これはもっとも時間がかかった一冊に
なります。
 作者の森亮さんは、小泉八雲とルバイヤットの翻訳などで
著名な英文学者でありますが、小生にとっては、文学の導きの
師匠である篠田一士旧制高校時代の先生でありました。