海鳴り21号到着4

 小さな版元ほど運転資金が苦しくて、新聞等に新刊広告をだすことができないため
新刊案内のホームページをつくっているところが多いのですが、そんななかで、編集
工房ノアは、本文で100ページをこえる冊子「海鳴り」を年に一回だして、出版目録
にかえています。この刊行物リストには、自費出版に限りなく近いような本も含まれて
いるのではないかと思いますが、この目録では天野忠山田稔鶴見俊輔というノアの
常連さんたちと分け隔てなくならんでいます。
 関西の作家、詩人達は、編集工房ノアから出版がかないますと、運がよろしいと、
天野忠さんと同じページで広告される可能性があるのですからね。
 90年10月にでた「海鳴り7号」の、巻末におかれている自社刊行本のリストは、
当時力をいれていた「ノア叢書」がひとまとまりとなっています。
 ・ ディアボロの歌    小島輝正
 ・ 狸ばやし       富士正晴
 ・ 光っている窓     永瀬清子
 ・ 物言わざれば     桑島玄二
 ・ 右往左往       木村重信 
 ・ 消え行く幻燈     竹中 郁 
 ・ 影とささやき     山田 稔
 ・ 人の世やちまた    足立巻一
 ・ 新しい靴       庄野英二
 ・ 京の夢大阪の夢    山下 肇
 ・ 木漏れ日拾い     天野 忠
 ・ 人の居る風景     大谷晃一
 ・ 再読         鶴見俊輔
 ・ わが敗走       杉山平一

 20年たって、上記の「ノア叢書」の数冊は品切れとありますが、いまだに残って
いるようでありまして、21号のリストには、山田稔さんの「影とささやき」でさえ、
かっての価格1800円でのっているのでした。
 品切れという表示つきでのっているものもありますが、完全に姿を消している
ものもありました。
 そうしたなかの一冊は、天野忠さんの詩集でありました。
「 動物園の珍しい動物」 限定350部 著者自装 サイン入り 3914円
 この本のコメントには、「著者が最も愛着をもつ、絶版詩集を限定愛蔵本で
再版。」とありました。
 この天野忠さんの限定本は、この時に版元に注文して入手したものですが、
編集工房ノアのものでは、一番古書価が高いので出はないかと思われますが、
めったに手放す人がいないので、高いのも仕方がないでしょうね。