本日は重陽の節句で

 このところずっと9月9日には重陽節句ということで、丸谷才一さんの

「いまは何時ですか」を話題にしておりましたが、本日はこれまでのところ丸谷

さんの小説を手にもしておりません。これは明日のことになるのか。

 本日は亡母の三回忌ということで、兄弟夫婦がそろって、法事をやっておりま

した。仏さんには仏花として菊とバラでありました。本日に一番きれいに咲いて

くれたのは、鉢で養生している英国バラの「チャールズ・ダーウィン」でありま

した。息も絶え絶えになっていましたが、鉢上げして様子を見ていたら、すこし

元気を取り戻したようで、今年二つ目の花をつけてくれました。

D・オースチン  チャールズ・ダーウィン

 本日に本を手にしていましたら、思いがけずに本日のことを「新暦重陽」と

記してある日録のページを見つけることにです。

なんのことはなし、正岡子規「仰臥漫録」のなかに明治34年9月9日のもの

がありました。

 その日の東京は、晴れとありまして、気温は華氏82度となったそうで

82度というのは、摂氏でいきますと、28度くらいになるようです。

 9月9日は、「朝 栗小豆飯三椀(新暦重陽)佃煮」とあります。

重陽には菊か栗を食することになっているようですが、この日の子規は

「栗小豆飯」を食したのですね。

 本日は、仏壇に菊は供えたのでありますが、栗には縁がなかったこと

であります。

 この時代に、本日を重陽節句と意識する方々は、どのくらいいらっしゃる

でありましょう。

仰臥漫録 (岩波文庫 緑13-5)