本日は断続的に与那原恵さんの「赤星鉄馬 消えた富豪」を読みつぐことに
なりです。本日も100ページくらい読みましたが、なかなか勉強になることで
あります。
明治のお金持ちの話でありまして、登場人物の主たる人たちは、薩摩藩につな
がる人であります。薩摩藩の人脈といえば、北海道開拓にも大いに関係があるこ
とでありまして、そんな関心から、これを読み進むことになりです。(時代が
下るにしたがって、関係は薄くなるのでありますが。)
先日に当方が青春18キップで乗車しました室蘭本線というのは、空知地方で
とれます石炭を搬出するために敷設されたものでした。空知の炭鉱と室蘭の港を
つなぐのが室蘭本線でありまして、これの始まりは北海道炭礦汽船という会社で
ありました。
今はもう存在しない北海道炭礦汽船という会社は、薩摩閥によって興されたも
のでありまして、そもそも北海道開拓使というもの自体が薩摩閥によって仕切られ
ていたのですね。
この本を読んでいましたら、明治期の開拓時代の利権をめぐる動きがすこし見え
て来ることです。
明治という時代は、日露戦争に勝利することによって花開く(?)のであります
が、ロシアの脅威を一番身近に感じていたのは、北海道でありまして、それもあっ
て、英国アームストロング社との合弁で、炭礦汽船が作った会社 日本製鋼所も
薩摩閥の仕切りによりました。
結局のところ薩摩閥は、戦争がおこるとビジネスチャンスになるという仕組みを
作っていたのでありますね。もちろん、後年においては、これに財閥というのが
資本参加してくるわけですが。
なんとも戦争がおこるともうかるというのは、つらい話ではありますが、これは
現代にも通じることでありまして、武器の輸出に制限があるのは、ビジネスチャンス
をみすみす逃すものという声が、景気が悪くなりましたら、どんどん大きくなりそ
うであります。