ここにもくぼたさんが

 昨日に話題にしたくぼたのぞみさんの「『ブルー・バートン』をおくる」と

いう文章の余韻にひたっています。まだ自分が、この先どのようになっていくの

かまるでわかっていなかった二十歳になってまもなくの頃に好きになった歌い手

さんのレコードでありました。

 くぼたさんは、レコードは「ブルー・バートン」一枚きりしか持っていなかっ

たと書いているのですが、当時はレコードが高かったので、そうなんですよね。

当方は一枚きりということはなかったのですが、それでもいくらも持っていな

かったことです。

 当方の古い友人は、そういえば予備校の下宿で一緒になったときに「処女航海

を持っていたものねというのでありますが、彼はそういう理解になっているので

すが、当方が高校生の時に大枚をはたいて購入したのは、リー・モーガン

「サイドワインダー」というベストセラーアルバムでありました。ちょうど高校の

時にブルーノートのラインナップが東芝から売り出されるということで、予約す

ればカレンダーがもらえるとかで、高校生の分際で予約して買ったのでした。

アルバムは買ったけど、聴くための装置はもっていないというとほほな状況であ

りました。

 輸入盤などとっても買うことができずで、海外のアルバムの国内で売られるよう

になったのは60年代の後半のことでしたよね。以前も話題にしたかもしれません

が、ボブ・ディランなんかでも国内で最初アルバムは、編集されたものでありま

したからね。

 くぼたさんは、「学生時代のジャズ好きが高じて、卒業後は音楽業界の片隅で

働くようになった」とあります。1972年くらいでありますから、どうやらCBS

ソニーに就職したようでありますが、もちろん、これはあたっているのかどうか

わかりません。

 この時代のCBSソニーというのは、魅力があったのですよね。アン・バートン

アルバムもCBSソニーでありました。

 そんなふうに、くぼたのぞみさんの本のことを思っておりましたら、手を伸ば

したところにあった「ちくま」4月号に「後戻りはできない」というくぼたさんの

文章がありました。

 チョ・ナムジュさんの「私たちが記したもの」という本について書いているので

すが、この4年ほどに日本に紹介された韓国文学の質量ともに目をみはるものがある

と書かれています。

 文化における勢いでは韓国のパワーがまさっているようです。嫌韓なんていって

いるうちに、どんどんとみじめなことになっていきそうでありますが、やっぱり

日本はすごいのかな。