「ブルー・バートン」をあげる

 昨日に図書館から借りたくぼたのぞみさんの本のあとがきに惹かれ、くぼた

さんの著作を確認しましたら、エッセイ集が刊行されていて、しかもそれが

行きつけの図書館にあることがわかりましたので、早速借りだしのために走る

ことになりました。

 版元は九州福岡の書肆侃侃房であります。ここは左川ちかさんの本も出して

くれて、九州なのに北海道生まれの女性と親和性高しです。ということで、本日

の本は、次のものです。

山羊と水葬

山羊と水葬

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 当方がくぼたさんに親近感を感じるのは、年齢が近いということよりも、むし

ろ田舎で育ったということのほうが大きいかもです。札幌で生まれて、親は上場

会社に勤務とか、大学教員とか上級公務員という家庭ではないことが近しく感じ

ます。

 地方の公立高校を卒業して東京の大学に進学してすぐに大学封鎖となって、す

くなからずカルチュアショックを受けたとのことです。当方より大学入学は二年

早く、この差は大きいことです。当方は高校では一年下ですが、浪人生活を経験

していますので、大学に入った70年4月には、すでにかなり普通に戻っており

ましたから。

 そういう鬱々とした日について書かれた文章から引用です。

「初めてステレオシステムを買ったのは1971年2月だった。学生時代に住ん

だ最初のアパート、・・・

 そのコンポで初めて聴いたLPがアン・バートンの第一アルバム『ブルー・

バートン』だった。アルバイト代をひたすら貯めてコンポを買ったばかりのころ

は、外出しても落ち着かず、いそいそと帰宅してストーブを点ける間ももどかし

く、たった一枚しかないこのレコード盤に針を落とした。」

 このところを読んで、ひどく驚くことにです。これってほとんど当方のことを

書いているのではないかです。

 これまでアン・バートンさんへの偏愛を何度かこの場で記しておりますが、

まさかまさk、くぼたのぞみさんがこのように書いてくれるとはです。

当方が最初に購入したのは、そのころ発売されたばかりの二枚目アルバムで

あったかもしれませんが、すぐに「ブルー・バートン」を買って、どちらも愛聴

盤であります。

 当方がアン・バートンのファンであることは当方の学生時代の友人たちには

知られておりまして、「ブルー・バートン」といいますと、ジャケット写真の

額に傷が見えるほうねということになります。

 当方は、このアルバムでは「But not for me」という曲がお気に入りです。

 ちなみにアン・バートンさんは、オランダの歌い手さんでありまして、そうし

たことから、同じ出自のJ・M・クッツエーさんが来日された時に、「ブルー・

バートン」のCD(自分の青春時代を支えてくれた)を贈ったのだそうです。

 これはほんといい話でありますが、当方は残念ながらアン・バートンのもの

を誰かにプレゼントしたことはありませんです。

アン・バートン ブルーバートン 半世紀前のレコード