本日手にした本 6

 結局のところバラカンさんの本を手にして、相当にユニークなバラカン母の行動を
たどっています。
 バンドとかエレキなんかにうつつをぬかしていると不良になるよと、いわれた時代の
音楽好きな母であります。
 バラカンさんの本からの引用であります。
「ある日、学校から帰り自宅の扉を開くと、いきなり大音量で『リトル・バイ・リトル』
が聞こえてきました。我が家のレコード・プレイヤは玄関を入って左手の居間の小さな
テーブルの上に置かれていましたが、その日は玄関の奥にありました。そして母は、
すっかり興奮した僕に、それが買ってきたばかりの『ザ・ローリング・ストーンズ』で
あることを教えてくれたのです。彼女は僕や弟のためではなく、彼女自身が聴きたく
なって買ってきたのだと思います。」
ザ・ローリング・ストーンズ」というのは、彼らのデビューアルバムであります。
1964年といいますから、ちょうど東京オリンピック開催の年でありました。その時の
バラカン母というのは、おいくつくらいであったのでしょう。今や、ストーンズ
メンバーは70代になるわけですから、デビュー当時からのファンであった人たちが一緒
に年を重ねるというのは不思議でもなんでもないことですが、「ストーンズ」がデビュー
したときに、子育てしている女性がファンとなるというのは、相当に珍しいことであった
でしょう。」
 すくなくとも当方の音楽好きな友人の母親で、ジャズが好きとか、ロックを聴くよなん
て人はいなかったよね。あんなジャズやロックを聴いている男とはつきあうんじゃないよ
という話はきいたことがありますけどね。
 当方が聴いた洋楽は、すべてUSA経由でありました。ドイツの音楽も英国の音楽もUSAの
ヒットチャートにのることによって、当方のアンテナにかかってきました。それが
かわったのは、なんといってもリバプールから起こった音楽運動によってでありまして、
ちょうどその波とバラカンさんの成長が重なるのですが、バラカン母は、ジャズから
ロックを聴くようになって、いまは何を聴いているのでしょうか。