先週に入ってからあらまこれがまだ残っていたわということで、商品券綴の
一冊を示されました。まったく鷹揚なことでありまして、お恥ずかしいのであり
ますが、そんなに余裕のある生活をしているのではなくて、単に忘れっぽくなって
いるだけであります。
なにか欲しい物があったら、これを使って買ってもよろしいよといってもらった
のですが、欲しいものはショッピングモールに入っているスポーツ店かアウトドア
店にありそうですが、人混みのなかに入るのはちょっとでありますので、方向を
変えて行きつけのお店で使うことで検討することにです。
そうなりますと、一番に思いつくのは地元の本屋さんでありますね。そこには
文庫の新刊が入っていると思われるので、それを目当てに足を運んでみることに
です。使用期限が翌日に迫っていましたが、なんとか期限内に消費することがで
きまして、めでたしでありました。
一冊には6千円分の商品券が綴られていますので、行きつけの本屋でその半分
で本を買うことにです。その昔のTV番組に「がっちり買いまショウ」というのが
ありまして、いとし、こいしさんが司会進行でありました。「お手々だしても
足だすな」といってから買い物ゲームがはじまるのでありました。
この日の買い物は、商品券がお釣りがでないということから、500円単位で
できるだけ現金支出を少なくなるように上手に買うというゲーム感覚であります。
消費税を含め、できるだけ3千円に近い買い物をしたいと思ったのでありますね。
ということで、購入したのは次の三冊。いずれもちくま文庫となりです。
団鬼六さんの文庫といえば、かっては幻冬舎文庫のアウトローでありましたが、
いよいよちくまからです。団さんの自伝的エッセイを集めたものですが、そうい
えば、団鬼六さんの伝記を読んだことがあるぞと思ったら大崎善生さんの著作で
ありました。当方は大崎さんのものを先に読んでおりました。
二冊目は岡崎武志さんの「ここが私の東京」となります。
今はなき「en-taxi」に連載したものを一冊にしたのが底本で、それに増補して
文庫化となります。「上京&東京物語」と帯にはあるのですが、当方も三年ほど
仕事の都合で東京暮らしをしましたが、ここに住み続けたいという気持ちにはな
らずで、ともに東京で暮らした子どもたちも、進学は関西の大学になり、そのま
ま関西に住み着きましたので、我が家のスタイルに東京物語は似合わないかな。
まずは岡崎さんの東京物語から読んでみることにいたしましょう。
さて、それで三冊目です。今月の新刊には、中公文庫に和田誠さん、村田喜代子
さんのものがあったのですが、がっちりかいまショウ的には半端な感じがして、
ちくまものから、石牟礼さんのものとちくま学芸文庫のものを天秤にかけて、
石牟礼さんのは、次の機会にということで、買ったのはこちらでした。
こういう機会でもなければ、なかなか買う決心のできない一冊であります。
朝鮮半島で尊敬されている戦前の日本人による著作。
三冊でしめて3278円なりでした。追い金3百円で、おつり22円でした。