「はじめに」を何度も読む

 図書館から借りている三橋順子さんの「歴史の中の多様な『性』」を手にして

います。

 まずは「はじめに」を読むことにですが、この本で取り上げるテーマと用語に

ついての説明がありで、これが頭に入れば、すこしはこの後を読むのに、助けに

なるだろうと思うのですが、これがそれなりに難しいのでありますね。

 この本の主張を簡潔にまとめればというのは、すっきりと頭にはいるのであり

ますが、ジェンダーセクシュアリティ、性的マイノリティ、トランスジェンダー

というあたりは、うすらぼんやりとわかったつもりになっていることの用語定義

は難物であることです。

「『ジェンダー』とは、社会的・文化的性であり、先天的な身体的な性とは別次元

の、人間が生まれた後、後天的に身につけていく(性差を含む)性の在り様である。

ジェンダーは固定的・不変なものではなく構築される点が重要で、社会によって

(地域差・時代差)ジェンダーの内実(『男らしさ』『女らしさ』)は異なるもの

になる。」

 これで頭が痛くなってはいけませんで、このあとはもっと大変になるのですが、

何度か読んでいますと、すこしは頭にはいってくるかなと思いますが、講義を受け

ているような感じで、思わずノートしなくてはとメモすることにです。

 いつまでたっても「はじめに」から抜け出すことができなくなりそうなので、目次

を見て、興味をひく文章をのぞいてみることにです。

 本日は、このなかから「説話のなかの性別越境」という江戸相撲の力士をめぐる

言い伝えについての検証の文章を読んでみました。

 鹿児島の出水川という相撲取りがどうしても勝つことのできなかった強豪力士

伊達ケ関という力士に勝ちたいと願掛けをしたら、お告げがあって、伊達ケ関は

女性が男装した力士であるので、前みつをとって攻めよといわれ、それに従って

勝利をおさめることができ、それに喜んだ出水川は神社に灯籠を奉納したという

伝承についてであります。

 出水川は実在の力士で、灯籠も現存していることから、相撲資料にあたって、

これを読み解いていくのですが、強豪力士が女性だったというのは、今でありま

したら荒唐無稽といわれそうですが、江戸時代にはそれをすんなりと受け入れる

素地があったのですね。

 最近の大相撲の世界では女性は、土俵にすらあげてもらえないのでありますが、

これというのは、決して昔からのことではないということが伺えることでありま

す。

 あれこれについて、日本古来からの伝統であるというような話のほとんどは

そんなことはなくってといわれているようで、勉強になることです。