本日に武道館で大きな葬儀がありまして、それは国が主催するものとしては
55年ぶりなのだそうです。
55年前は、当方は高校二年生であったように思います。その日に大きな葬儀
があったことは知っていますが、テレビも新聞も見ない生活でありましたので、
ほとんど印象に残っておりません。
その後になりまして、その葬儀の模様がTV番組のなかで取り上げられたときに、
故人の息子である吉田健一が神妙な顔をして連なっていたのが印象に残っています。
こういう人が国葬で送られるのかと、大勲位という勲章の名称とともに記憶されま
した。
それから幾星霜でありますが、大勲位という勲章を贈られた人は、その後3人で
ありまして、一人はノーベル賞で、もうひとりは戦後の大元帥のような方でありま
した。そのお二人と比べると、今回の大勲位は、ちょっと軽いかなと思ったりです
が、まさかの国葬付きとなりまして、このことが、この国の形が変わっていること
を如実に物語っているのかもしれません。
先の大勲位が亡くなったときにも、国葬でとか思った人はいたのでしょうが、
やはりそれは恐れ多いというような気持ち(それに法的な裏付けの難しさ)もあっ
て、それに踏み切るということにはならなかったのでしょう。
今回も慎重な意見をお持ちの方もいらしたのでしょうが、なんとなくいけいけの
気分が横溢したようでありまして、それも含めて知恵が足りなくなっているようで
あります。
この半世紀に失われたものというのが、本日の儀式を支えているのかもしれま
せん。