次々に届いて

 先週くらいから出版社のPR誌が、次々と届くことになります。最初は「ちくま」

で、次いで「波」というのがいつものことに。当方の購読しているものでは、月が

変わってから届くのは「みすず」だけでありまして、PR誌が、次々と届くと、今月

も残り少ないと感じることにです。

 「波」の今月は、北村薫」さんの連載がなくて、ちょっと残念なことです。

楽しみにしている編集後記は、頭の一行に「蓮實重彦さんの『ジョン・フォード論』

刊行に合わせた」とありますが、その蓮實重彦さんは、「ちくま」では巻頭コラム

「些事にこだわり」を担当で、今回のタイトルは「政府は、いざという瞬間に、国

民の生命を防衛しようとする意思などこれっぽっちも持ってはいないと判断せざる

をえない」という長いものでありまして、思わず「博士の異常な愛情」かと突っ込み

をいれたくなりました。

 蓮實流の些事へのこだわりでありまして、それは「どうすれば元首相は殺されずに

すんだのか」ということであるようです。

 当方は、ほとんど蓮實さんの著作を読んだことがないので、これはこのくらいにし

ておきましょう。

 「ちくま」の蓮實さんの、すぐあとには「自治体と大学」の著者 田村秀さんに

よる自著に関する文章が置かれています。

 それからすこし引用です。

「いつの時代も自治体は地元に大学を作ることを切望してきた。無駄なことをして

いるのでは、という声は地域ではほとんど聞こえてこない。それは都会への怨嗟の

裏返しかもしれない。大学誘致や設立に百億円単位の税金を投入することを批判す

る声は都市部などでは大きな声となるのかもしれない。だが、地方にとっては切実

な願いなのだ。 

 もちろん、冬の時代は撤退の時代でもある。すでに、各地で廃校や学校法人の

すげ替えなど、居抜きともいえるような状況が増えている。それでも、大学を求め

る地方の声はやまない。」

 このくだりを読んでみて、さすが田村教授はわがマチの出身だけあって、わがマチ

がお百度を踏んで、来ていただいた大学が学生が集まらずに身売りしたことも踏まえ

て、このように書いているのでありましょう。

 それにしても1998年に開学し、300人弱の学生を集めて動き出した大学は、それか

ら20年ほどで入学者が30人を割り込むところまで落ち込んで、居抜きで経営者が変更

となったのですが、それでもわがマチではまた学生が集まることに期待しているので

ありますね。