外出先で、先日の読売新聞書評欄を見せてもらいました。なにか気になる
ものはないだろうかと思ってみましたら、尾崎真理子さんが「運命の謎 小島
信夫と私」を取り上げていました。
著者は三浦清宏さんで、版元は水声社でありました。水声社といえばamazon
に出荷していないといっていたところで、そのためにアマゾンリンクをはること
ができずです。
そういえば小島信夫さんの作品集成を刊行しているのも水声社でありまして、
amazonとの関係も含めて、この版元はユニークなところです。
なかなか普通の書店では手にすることができない水声社の「運命の謎」が図書
館にありまして、これを借りておりました。まったく読むこともないうちに返す
日がくるのかと思っていたところで、読売書評でありますので、あわてて取り出
してページを開いてみることにです。
なんといっても、尾崎さんは「あまりの面白さに圧倒され、何度もページを
閉じた」と書いているのですから、これはすこしでもです。
三浦清宏さんは北海道出身の芥川賞を受けた作家さんですが、これまでまった
く読んだことがありませんでした。最近は心霊研究家として活動しているようで、
なんとなく胡散臭いイメージがあるのですが、もちろんそれだけの人ではありま
せんですね。
本日は冒頭のすこしを読んだのですが、三浦さんが小島信夫さんと出会った米
国のアイオワ大学 1957年のところです。
「ついでながら、簡単にその頃のアメリカの文学状況についてご説明しますと、
小説の方ではヘミングウェイ、スタインベック、フォークナーなどの大家たちが
晩年を迎えていましたが、まだ健在で、スタインベックの『エデンの東』が出て、
評判の高かった頃です。」
三浦さんは、このように当時の状況を説明してくれるのですが、もともとが
大学で文学を教えていた方ですので、このような寄り道も楽しいことです。
それにしても、師の小島信夫にして、この弟子がありという感じであります。