クリスマス前の日曜でありますが、ここ何年かは月曜日の発送を目指して
台所で粉もの作業であります。本日はレーズンパン(自家製酵母の)を焼いて、
パイ生地を仕込んで寝かせて一段落。明日は朝からパイ生地をのして、りんご
のフィリングをいれて焼くことになります。バターは二単位ですから、一口
サイズのアップルパイが36個出来上がりとなりです。明日の午前には終わり
ますでしょう。
今年は結局、一度も関西へと行くことが出来なかったなと思いながら図書館
の棚を見ていましたら、大阪関連の本が目につきましたので、これを借りてく
ることにです。
著者の平田達治さんは、奈良県生まれで大阪育ちで独文学者さんです。
ヨゼフ・ロートの翻訳で有名で、岩波文庫にはいってロート作品(「果てしな
き逃走」「ラデツキー行進曲」)は平田さんが担当です。
平田さんの本の最初に置かれているのは「上町台地に始まる大阪の歴史と
文化」という文章です。
「千日前界隈の見晴らしの利く建物の上から、はるか東の方を、北より順に
高津の高台、生玉の高台、夕陽丘の高台と見て行けば、何百年の昔から静け
さをしんと底にたたえて鬱蒼たる緑の色が、煙と埃に濁った大気の中になお
失わずにそこにあることがうなずかれよう。
そこは俗に上町と呼ばれる一角である。しかし俗にいう下町に対する意味
での上町ではなかった。高台にある町ゆえに上町とよばれたまでで、ここに
は東京の山の手といったような意味も趣もなかった。」
「高台にある町ゆえに上町」なのでありますが、不動産会社はなんとなく
東京における山の手のような雰囲気で「上町台地」を売り込みたいようで
あります。沢もしくは谷よりも台地のほうがイメージがいいというのは、いつ
からなのでありましょう。うんと昔には沢のほうが水の確保などに便利という
こともあって人は、低いところに住んだのでありますがね。
来年には関西へといくことができるでしょうが、そのときは上町台地の北か
ら南にかけて歩いてみたいものです。そのときのための、これは参考書であり
ますね。