毎年恒例の作業

 クリスマス前の日曜でありますが、ここ何年かは月曜日の発送を目指して

台所で粉もの作業であります。本日はレーズンパン(自家製酵母の)を焼いて、

パイ生地を仕込んで寝かせて一段落。明日は朝からパイ生地をのして、りんご

のフィリングをいれて焼くことになります。バターは二単位ですから、一口

サイズのアップルパイが36個出来上がりとなりです。明日の午前には終わり

ますでしょう。

 今年は結局、一度も関西へと行くことが出来なかったなと思いながら図書館

の棚を見ていましたら、大阪関連の本が目につきましたので、これを借りてく

ることにです。

歩く大阪・読む大阪 大阪の文化と歴史

歩く大阪・読む大阪 大阪の文化と歴史

  • 作者:平田 達治
  • 発売日: 2020/09/04
  • メディア: 単行本
 

 著者の平田達治さんは、奈良県生まれで大阪育ちで独文学者さんです。

ヨゼフ・ロートの翻訳で有名で、岩波文庫にはいってロート作品(「果てしな

き逃走」「ラデツキー行進曲」)は平田さんが担当です。

果てしなき逃走 (岩波文庫)

果てしなき逃走 (岩波文庫)

 

 平田さんの本の最初に置かれているのは「上町台地に始まる大阪の歴史と

文化」という文章です。

「千日前界隈の見晴らしの利く建物の上から、はるか東の方を、北より順に

高津の高台、生玉の高台、夕陽丘の高台と見て行けば、何百年の昔から静け

さをしんと底にたたえて鬱蒼たる緑の色が、煙と埃に濁った大気の中になお

失わずにそこにあることがうなずかれよう。

 そこは俗に上町と呼ばれる一角である。しかし俗にいう下町に対する意味

での上町ではなかった。高台にある町ゆえに上町とよばれたまでで、ここに

は東京の山の手といったような意味も趣もなかった。」

 「高台にある町ゆえに上町」なのでありますが、不動産会社はなんとなく

東京における山の手のような雰囲気で「上町台地」を売り込みたいようで

あります。沢もしくは谷よりも台地のほうがイメージがいいというのは、いつ

からなのでありましょう。うんと昔には沢のほうが水の確保などに便利という

こともあって人は、低いところに住んだのでありますがね。

 来年には関西へといくことができるでしょうが、そのときは上町台地の北か

ら南にかけて歩いてみたいものです。そのときのための、これは参考書であり

ますね。