先日に待ち時間をつぶすために立ち寄りました。いつものように予算は
ワンコインでありまして、何かびっくりとするようなものはないかなと思った
のですが、残念それはなしでした。
購入したのは三冊でしたが、いずれも本にバーコードが不要であった時代の
もので、それが安価で入手できた理由でしょう。
一冊は、すでに持っているものでありますが、この本は何冊あってもいいと
思うものですから、見つけると買ってしまいます。
「明治の東京計画」の元版は1982年刊行で、そのときの藤森さんは36歳で
ありました。藤森さんの博士論文がベースになっているとのことですが、博士
論文が一般読者に向けて出版されるというのは、かなり珍しいことであった
ように思います。文学系ではなくて都市工学系でありますからね。
元版は、田村義也さんの素晴らしい装丁でありまして、当時行きつけの小さな
本屋で、この本を手にした当方は読めるかどうかも考えずに購入したのであり
ます。
それから40年近くがたって、いまだに読めていないようなものですから、
読まなきゃいけないぞということで、安価で見つけたら購入するのでした。
もう一冊は、もっと古くに出会った本のつながりとなります。
その昔の小学校図書館には、小学生向けに翻案された外国文学の小説本が
ならんでいました。たしか講談社の本ですが、それ収録の「怪盗ルパン」もの
を胸ワクワクで読んだことです。
この小説の翻訳者は、ずいぶんと不思議な文字がならぶ名前の方で、その
方が保篠龍緒という人であるというのは、かなりあとになってから知りまし
た。そして当方の世代にはルパンというと、この名前が浮かんで来る人が多い
のですね。
先日のブックオフでは、この翻訳本を見つけて入手です。
この版元「新学社」というのは、もちろん今もありまして、「保田與重郎」
文庫全32巻を刊行している、ちょっと不思議な出版社です。