大きな広告が

 今朝に届いた新聞を見ましたら、その会社としては大きな広告が目にはいり

ました。晶文社のものとなります。最近はほとんど当方に縁のなくなっている会

社でありますが、このような大きな広告が出せるということは、そこそこ順調で

あるということですね。

 大きな広告といえば、ヘイト本とか嫌アジア本に多いのですが、本日の広告

には、そのようなものがなくて、このましいことであります。

一番多くなスペースをとっているのは、「呪いの言葉の解きかた」という上西充

子さんという人の著作。この人が「ご飯論法」の名付け親なのか。 

呪いの言葉の解きかた

呪いの言葉の解きかた

 

  いかにもこの会社らしいものだなと思ったのは、次のものでした。 

美学校1969-2019: 自由と実験のアカデメイア

美学校1969-2019: 自由と実験のアカデメイア

 

  ちょっと前に南伸坊さんの本を手にしておりましたが、それも南さんが在籍し

た時代の「美学校」が描かれていました。これの宣伝文には、「赤瀬川源平、澁澤

龍彦、唐十郎鈴木清順らが教壇に立ち、南伸坊久住昌之浅生ハルミンら第一

線で活躍する面々を輩出した教場の、半生記を収めたクロニクル。」とあります。

 ユニークな学校でありまして、時代を反映しているということでは、鎌倉アカデミ

アと似たような感じでありますか。

 もう一冊眼に飛び込んでくるのは、「吉本隆明全集」であります。刊行が開始と

なったときには、果たして最後までたどりつけるのかとか、定期購読する読者の

大半は完結まで生き延びることができるのかといわれたものですが、全38巻、

別巻1のうち、今月に刊行となるのが「第21回配本」だそうです。ということは半ば

を過ぎたということですね。これはめでたいことです。

 この全集のところには、「2019年上半期ベストセラー全集部門7位 トーハン

調べ」とありました。ほかにどのような全集があったろうかと思うのですが、これを

見てみたいと思って、トーハンのページをのぞいてみることにです。 

 2018年のベストセラーリストがあって、そこには全集部門というのが存在しま

した。ちなみに昨年の一番は「昭和天皇実録」だそうです。このなかから文芸関係

のものを抜いてみますと、次のようになりです。

 2位 日本文学全集   河出書房新社

 5位 須賀敦子の本棚  河出書房新社

 6位 横溝正史ミステリ短編コレクション 柏書房

 7位 大江健三郎全小説 講談社

 8位 宮沢賢治コレクション 筑摩書房

 10位 吉本隆明全集   晶文社

 昨年度よりも、今年の上半期に吉本全集がランクをあげているのは、

昨年のもので完結したシリーズがあるからなのでしょう。

それにしても吉本全集を定期購読していて、ヘイト本も好きなんて人は

存在するのでしょうかね。