いつか読書する日 2

 昨年11月にBS放送で「いつか読書する日」の放送を見たときに、エンドロールの
ところで、主人公の書棚がロングショットでうつるのですが、ここにはどのような本が
ならんでいるのかと目をこらしたものです。この作品は、DVDで販売されているので
ありますが、これのシナリオ本をブックオフで入手しました。

いつか読書する日

いつか読書する日

 この本には、シナリオを書いた「青木研次」さんが紹介する主人公「大場美奈子」
さんの本棚よりという頁があります。本が好きな人は、ほかの人の本棚にどんな
本がならんでいるのかというのが気になるもの(「先生の本棚」なんて本があるくらい
でありますから。)です。
「 大場美奈子さんの本棚は、彼女の寝室の隣の4畳半ほどの部屋にあります。奥の
 壁と、両側の壁が天井の高さまで本で埋まっていて、窓のない部屋なので、本で
 できた穴蔵のような感じがしますから、はじめて見る人はびっくりするかもしれま
 せん。本棚の本は全部が大場さんが買った本ではなくて、お父様やお母様のも混じって
 いるようです。・・・古い文学全集の日焼けした箱がいい味をだしています。」
 この書棚にあって、主人公 大場美奈子さん(映画では田中裕子さんが演じて
いました。)が好きな本、思い出の本は次のものだそうです。

・ チボー家の人々    デュガール 白水社 ( 黄色い本のほうです。)
・ さようならコロンバス  ロス 集英社
・ 美しい夏       パヴェーゼ  晶文社 
・ 海からの贈り物    リンドバーグ 新潮文庫
・ 原寸イラストによる落葉図鑑   総合出版
・ おんな        ブラウン   ポケミス
・ アメリカの鱒釣り   ブローティガン 晶文社
・ おそうざい十二ヶ月         暮らしの手帖
・ 飛ぶ教室       ケストナー  岩波文庫
・ 夫婦善哉       織田作之助  新潮文庫 

 これらの本には、「大場美奈子」さんのコメントがついているのですが、そのなか
から、短いものを引用します。「美しい夏」についているものです。
「 夏みかんのきれいな本です。もうずいぶん前になくなりましたけど、紺屋町の菊屋
 書房っていう古本屋で見つけました。この本もひと夏の二人の若い女性の物語です。
 彼女たちが同じ若者を好きになるんですが、この恋も成就しないんです。別にそういう
 お話ばっかり選んで買っているわけじゃないですけどね。パヴェーゼという人は
 最初女性かと思っていました。41歳で自殺してしまうんです。あんなに女の気持ちが
 わかるのに。」

 そういえば、晶文社からはかってパヴェーゼ全集が刊行されていました。最近は
品切れなのですが、あの全集は完結していないのではなかったでしょうか。他の会社
から、河島英昭訳の作品がいくつか刊行されるようなことを聞いたことがありました。