強制終了せり

 その昔のパソコンは、よくフリーズしたことを思いだしました。いくつかの作業を
並行してやっているとCPUの処理能力を超えてしまって、キーを押しても、まるで
反応しなくなるのでした。これはMacWindowsも同じでありまして、そうなったら、
いくつかのキーを同時に押して抜け出るように操作するのですが、それでだめな時
は、電源ボタンを長押しして、強制終了することになります。
 強制終了は、ほとんどフリーズ状態にあった、当方の読書生活にも必要なようであ
ります。本日は、図書館から借りていた本を一度全部返却してしまいました。読めそ
うなものもあって、心残りですが、それはまた借りればいいでしょう。
 本日の朝日新聞夕刊は「『小さな物語』懸命に静謐に」という見出しで「野呂邦暢
小説集成」の完結を伝えていました。そうでした文遊社からでている小説集成が完結
したことは、「一冊の本」6月号に掲載の文遊社広告で見ておりました。先週に東京で
乗り換えをした時に、どこかの本屋で購入することができないかと思っていたのです
が、これは新刊本屋に寄ることもなく終わったので残念となりました。
 

 夕刊の記事には記者さんの文章があるのですが、そのなかに「編集に協力した元都立
高校教諭の浅尾節子さん」と紹介があるのですが、文遊社の小説集成も、みすずの随筆
コレクションもともに、浅尾さんお力なしには成り立ちませんです。
記事のなかには、浅尾さんの次の発言がありです。
国会図書館で、野呂が文筆活動した間の新聞・雑誌のマイクロフィルムをひたすら
見続け、未発表作を探した」
 この小説集成には「全9巻に単行本化されていないものが49作、未発表も3作」と
あります。そろそろ野呂さん没後40年になろうとしていますが、亡くなってから文名は
あがる一方でありまして、幸せな没後であります。
 それにしても、野呂さんは小説集成に解説を寄せている中野章子さん、資料探索の
浅尾節子さんと良き理解者に恵まれたことです。
 この小説集成9巻は、どのようにして入手することにしましょうかな。