最南端の街

 本日の朝にBSTVを見ておりましたら、「世界街歩き」という番組がアルゼンチンの
「最南端の街」を取り上げていました。
 これはパタゴニアの街であるなと思って、早速のこと近間においてあった河出文庫
のブルース・チャトウィンパタゴニア」を取り出してきました。

パタゴニア (河出文庫)

パタゴニア (河出文庫)

 この番組は再放送であるようですが、以前に放送があったことは知りませんでした。
つい何日か前にもNHKでは池澤夏樹さんが旅する「パタゴニア」という番組があったよ
うですが、残念ながら、これは番組があることは承知していたのに、そのうちに再放送
があるだろうよと思って、録画をとることもなしで見逃してしまいました。
 こんなに短期間で「パタゴニア」がNHKで取り上げられるとは、どうしたことでしょ
うね。
 「世界街歩き」で「最南端の街」となったのは、「ウスアイア」であります。
チャトウィンパタゴニアを北から南に旅したとすれば、最後にたどり着くのがこの
街でありましょう。
 チャトウィンの「パタゴニア」では59章に「ウスアイア」が登場です。まずはそれを
引用です。
「私は世界でいちばん南にある街に来た。ウスアイアの街はプレハブの伝道所から始まっ
ている。伝道所は1869年、W・H・スターリング師によって建てられたもので、
インディオのヤガン族集落のそばにあった。・・・
 ウスアイアの朝は静寂の中で始まった。ビーグル水道越しに、対岸のオステ島ののこ
ぎりの歯のような島影と、ホーン諸島に通じるマレー海峡が見えた。しかし真昼にはすで
に海面は荒れ狂い、はるか彼方の海岸線はもやにさえぎられて見えなくなっていた。」
 河出文庫からでた「パタゴニア」は買ったままで、中をのぞくこともなしでありまし
が、TVのおかげで手が伸びました。(池澤版世界文学全集収録で、ざーっと読んだの
ですが、ほとんど忘れていますからして。)
 もともとチャトウィンは、池澤さんの好みでありまして、この文庫の解説は、池澤版
世界文学全集に寄せたものの再録でありました。