本日の朝にBSTVを見ておりましたら、「世界街歩き」という番組がアルゼンチンの
「最南端の街」を取り上げていました。
これはパタゴニアの街であるなと思って、早速のこと近間においてあった河出文庫
のブルース・チャトウィン「パタゴニア」を取り出してきました。
- 作者: ブルースチャトウィン,Bruce Chatwin,芹沢真理子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2017/09/05
- メディア: 文庫
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つい何日か前にもNHKでは池澤夏樹さんが旅する「パタゴニア」という番組があったよ
うですが、残念ながら、これは番組があることは承知していたのに、そのうちに再放送
があるだろうよと思って、録画をとることもなしで見逃してしまいました。
こんなに短期間で「パタゴニア」がNHKで取り上げられるとは、どうしたことでしょ
うね。
「世界街歩き」で「最南端の街」となったのは、「ウスアイア」であります。
チャトウィンがパタゴニアを北から南に旅したとすれば、最後にたどり着くのがこの
街でありましょう。
チャトウィンの「パタゴニア」では59章に「ウスアイア」が登場です。まずはそれを
引用です。
「私は世界でいちばん南にある街に来た。ウスアイアの街はプレハブの伝道所から始まっ
ている。伝道所は1869年、W・H・スターリング師によって建てられたもので、
インディオのヤガン族集落のそばにあった。・・・
ウスアイアの朝は静寂の中で始まった。ビーグル水道越しに、対岸のオステ島ののこ
ぎりの歯のような島影と、ホーン諸島に通じるマレー海峡が見えた。しかし真昼にはすで
に海面は荒れ狂い、はるか彼方の海岸線はもやにさえぎられて見えなくなっていた。」
河出文庫からでた「パタゴニア」は買ったままで、中をのぞくこともなしでありまし
が、TVのおかげで手が伸びました。(池澤版世界文学全集収録で、ざーっと読んだの
ですが、ほとんど忘れていますからして。)
もともとチャトウィンは、池澤さんの好みでありまして、この文庫の解説は、池澤版
世界文学全集に寄せたものの再録でありました。