金井美恵子さんの「スタア誕生」のほぼ最後のページまでたどりつきました。
とっても読みましたなんていうことはできないことであります。単純な小説でありま
したら、まずはひととおり筋を追ってページをめくっているうちに、最後のページと
なるのですが、金井さんの作品はどれも一筋縄ではいかないことで。
とにかく、その部分部分を楽しむものでありますね。
そうして本編が終わったかなと思ったら、その次に「書きおえたはずのそばから」と
いう創作の舞台裏を伝えるような文章がおかれています。これを読みますと、この作品
をもういちどさらってみるか、それともこれの先行作品である「噂の娘」にいこうかと
迷うことであります。
「書きおえたはずのそばから」には、「『スタア誕生』を書いている間に何度も読み
返すことになった、書き込みのある紙がはさまれて付箋がびっしり貼られた二冊の『噂
の娘』の文庫本が手元にあり」とあります。
そんなことを思いながら「噂の娘」を手にして、最後のところを確認しましたら、こ
の作品とこれに続く「スタア誕生」は、最後のところがまったく同じ文言であることが
わかりました。「スタア誕生」でありましたら、最終ページの3行にわたるくだりであ
ります。
こういう小説があるのかです。
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